サビアン(Sabian)は、占星術における「サビアンシンボル(Sabian Symbols)」を指します。これは、占星術の360度の黄道(十二星座の各30度)に対応する360の象徴的なイメージを使って、特定の度数に秘められた意味やエネルギーを読み解くためのシステムです。
サビアンシンボルは、1925年に占星術家のマーク・エドモンド・ジョーンズ(Marc Edmund Jones)と霊能者であるエルシー・ウィーラー(Elsie Wheeler)の協力によって作り出されました。彼らは霊的なメッセージを基に、各度数に対応するシンボルを割り当て、現在も占星術家たちの間で広く使われています。
目次
サビアンシンボルの基本概念
1. 360度の象徴
サビアンシンボルは、360度の黄道にそれぞれ1つずつ対応しています。これは、12星座 × 各30度という分割に基づき、各度数に独自の意味や象徴が与えられています。たとえば、牡羊座の1度から始まり、魚座の30度まで、各度数には個別の象徴的なイメージが設定されています。
2. 象徴的な意味
各度数には、視覚的で象徴的なシンボルが割り当てられています。これにより、出生図やトランジットのホロスコープで特定の惑星が位置している度数に対応するシンボルの意味を解釈することができます。これらのシンボルは、個人の人生のテーマや、惑星のエネルギーがどのように現れるかを深く理解するためのヒントを与えます。
3. 個人的な洞察のツール
サビアンシンボルは、個々の度数に秘められたエネルギーや、その人の性格や運命に与える影響を深く洞察するためのツールです。シンボルを通じて、自分自身の内面や、特定の出来事や時期に込められた意味を考察することができます。
サビアンシンボルの使用方法
1. 出生図でのサビアンシンボルの解釈
占星術の出生図において、各惑星やアセンダント(ASC)、MC(天頂点)が位置する度数のサビアンシンボルを調べることで、その度数に秘められた象徴的な意味を知ることができます。たとえば、太陽が牡羊座10度にある場合、牡羊座10度のサビアンシンボルを調べ、その人が持つ人生のテーマやエネルギーを読み解きます。
2. トランジットや進行図での利用
現在の惑星の動き(トランジット)や、進行図における惑星がどの度数に位置しているかを調べ、その度数のサビアンシンボルを活用して、その時期のテーマや運勢を読み解くことができます。特定の度数に惑星がトランジットしたとき、そのサビアンシンボルが示すエネルギーが、人生の出来事に影響を与えるとされます。
3. 個人的な成長のツール
サビアンシンボルは、象徴的なメッセージを通じて、自己理解や精神的成長を促すためのツールとしても使用されます。シンボルの解釈を通じて、人生の特定の局面や課題に対して新たな視点を得ることができます。
サビアンシンボルの例
以下は、いくつかの星座と度数に対応するサビアンシンボルの例です。
1. 牡羊座1度
- サビアンシンボル:「女性が出産する光景」
- 意味:新しい始まり、創造、エネルギッシュな変化の兆し。自分の内なる力を開花させ、新しい道を切り開くエネルギーを象徴します。
2. 双子座15度
- サビアンシンボル:「医師が病気の患者を訪れる」
- 意味:ケアとサポート、ヒーリング、他者を助けるために自分の知識や技術を活かすこと。癒しや他者への奉仕がテーマです。
3. 獅子座22度
- サビアンシンボル:「子供たちが遊ぶ遊園地」
- 意味:純粋な楽しさ、創造力、遊び心。無邪気さと喜びを持って人生を楽しむことの重要性を示しています。
サビアンシンボルの意義
1. 深い精神的な洞察
サビアンシンボルは、度数ごとの具体的な象徴を通じて、精神的な洞察や人生の指針を提供します。占星術の他の技術と組み合わせることで、個人の出生図やトランジット図をさらに詳細に読み解くことができます。
2. 象徴的なイメージ
サビアンシンボルは、象徴的なイメージを通じて、人間の意識の深層にアクセスします。これにより、潜在意識にあるテーマや課題が浮き彫りにされ、自己成長や人生の変化に向けた指針となります。
3. 直感的な解釈
サビアンシンボルの使用には、一定の直感が求められます。それぞれの象徴的なイメージが、どのように自分の人生や状況に適合するかを直感的に解釈することで、より深い洞察が得られます。
まとめ
サビアンシンボルは、占星術における度数ごとの象徴的なイメージを通じて、個人の運命や人生のテーマを深く洞察するためのツールです。360度の黄道に対応する360のシンボルは、それぞれが異なる意味を持ち、個々のホロスコープを読み解く上で重要な役割を果たします。出生図やトランジットでサビアンシンボルを活用することで、人生の転換期や内面的な成長に役立つ貴重な洞察を得ることができます。