六十干支

六十干支(ろくじっかんし)は、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせて作られた60の干支の組み合わせであり、暦法や占術で使われる時間や運勢を表す基盤です。十干(甲、乙、、丁、、己、、辛、)と十二支(子、、寅、卯、辰、巳、午、未、申、)を組み合わせて、甲子(きのえね)、乙丑(きのとうし)などのように、60通りの組み合わせを作り出しています。

この六十干支は、暦法で年や月、日、時刻などを表すほか、四柱推命九星気学などの占術でも用いられ、それぞれの干支がもつ特有の性質や運勢から人生や運命を読み解く指針とされています。60年周期で巡るため「甲子園」や「還暦」などの言葉にも影響を与えています。

六十干支の構成

十干(じっかん)

十干は「甲(こう・きのえ)、乙(おつ・きのと)、丙(へい・ひのえ)、丁(てい・ひのと)、戊(ぼ・つちのえ)、己(き・つちのと)、庚(こう・かのえ)、辛(しん・かのと)、壬(じん・みずのえ)、癸(き・みずのと)」の10種類から成り、陰陽五行に基づく性質を持っています。

  • 甲・乙:木の気(春) – 甲は陽、乙は陰
  • 丙・丁:火の気(夏) – 丙は陽、丁は陰
  • 戊・己:土の気(長夏) – 戊は陽、己は陰
  • 庚・辛:金の気(秋) – 庚は陽、辛は陰
  • 壬・癸:水の気(冬) – 壬は陽、癸は陰

十二支(じゅうにし)

十二支は、「子(ね)、丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、辰(たつ)、巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり)、戌(いぬ)、亥(い)」の12種類で、陰陽五行と関連し、それぞれが四季の移り変わりや動物の象徴を持っています。

  • 子(ね):水の気、冬
  • 丑(うし)、寅(とら)、卯(う):春、木の気
  • 辰(たつ)、巳(み)、午(うま):夏、火の気
  • 未(ひつじ)、申(さる)、酉(とり):秋、金の気
  • 戌(いぬ)、亥(い):冬、土の気

六十干支の組み合わせ

十干と十二支を順に組み合わせることで、甲子、乙丑、丙寅など、60種類の干支が生まれます。十干は10個、十二支は12個のため、最小公倍数である60年周期で一巡します。このため、60歳を迎える年齢は「還暦」と呼ばれ、元の干支に戻ることから特別視されています。

六十干支の組み合わせ例

  • 1番目:甲子(きのえね)
  • 2番目:乙丑(きのとうし)
  • 3番目:丙寅(ひのえとら)
  • 58番目:辛亥(かのとい)
  • 59番目:壬子(みずのえね)
  • 60番目:癸丑(みずのとうし)

このように、十干と十二支が順番に組み合わされ、60年で一巡する形になっています。

六十干支の用途と役割

暦法

六十干支は、古代中国や日本で年や月、日、時間の単位として用いられてきた暦法です。暦の基礎として、日常生活の中での運勢や年ごとの特徴、季節の巡りなどを理解するために役立てられてきました。

占術

六十干支は、四柱推命や九星気学などの東洋占術の根本的な要素としても利用されています。生まれた年、月、日、時刻の六十干支を読み取ることで、その人の運勢や性格、運命の流れを分析します。

社会的な習慣

日本では、六十干支にちなんだ習慣として「還暦」などがあります。還暦は生まれた年の干支に戻ることを祝い、長寿や健康を祈念する機会とされています。また、甲子(きのえね)の日は縁起が良いとされ、商売や建築の着手などに適した日とされています。

六十干支のスピリチュアルな意味

エネルギーの巡りとバランス

六十干支は、陰陽五行と密接に関わっており、自然界のエネルギーの巡りを象徴しています。60種類の干支はそれぞれ異なるエネルギーを持ち、個人の運勢や環境に影響を与えると考えられます。

個々の干支の持つ運勢や象意

各干支は特定の意味を持ち、運勢の傾向やその年の象意(シンボル)として解釈されます。たとえば、甲子(きのえね)は「新しい始まり」や「成長のエネルギー」を示すとされ、己丑(つちのとうし)は「堅実さ」「忍耐力」などを象徴するといった具合に、それぞれの干支に固有の意味が付されています。

陰陽五行による性質

六十干支は、五行(木・火・土・金・水)のサイクルを通して、成長・成熟・収穫・衰退・休息といった自然の循環を示しており、人生の節目や運勢の流れを表すとされています。特に五行のバランスが個人の運気や健康に影響すると考えられ、運気の調整や開運においても重要視されています。

六十干支を活用する方法

自分の干支の意味を知る

自分の生まれ年や生年月日の干支を知り、その干支の意味を理解することで、自身の性格や運勢の傾向が見えてきます。例えば、四柱推命では生年・生月・生日・生時の干支を調べ、それぞれの特徴を知ることで、自己理解や運勢の把握に役立ちます。

干支の巡りを利用した運気アップ

60年周期や10年周期(大運)など、干支の巡りを利用して運気の流れを意識することも、運気の向上に役立ちます。例えば、甲子の日を新しいことを始めるタイミングとし、定期的に干支の巡りを生活に取り入れることで、自然のエネルギーに沿った行動が取りやすくなります。

干支に基づく吉日選び

六十干支には縁起の良い日や悪い日があり、たとえば「甲子の日」や「己巳の日」などが吉日とされています。こうした日に合わせて、重要な行事や決断を行うことで、良い運気を取り込むことができると考えられています。

まとめ

六十干支(ろくじっかんし)は、十干と十二支を組み合わせて作られた60種類の干支で、暦法や占術、運勢の把握などに使われ、古くから人々の生活や社会に深く根付いている体系です。還暦や四柱推命などに見られるように、六十干支は個々の運勢やエネルギーを理解し、人生を豊かにするための指針として活用されています。

六十干支を知り、生活に取り入れることで、自然のエネルギーと調和し、運気の流れをスムーズにすることができるでしょう。また、干支が持つ象意や陰陽五行を理解することで、日常生活や意思決定において良い影響をもたらす助けになるかもしれません。

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