初詣は「願いを叶える儀式」というより、1年のはじまりに心身と気持ちを整える“区切り”です。作法は完璧じゃなくて大丈夫。ただ、いくつか押さえるだけで所作がきれいになり、場の空気にも自然になじみます。ここでは神社/お寺の違いや手水・二拝二拍手一拝、混雑時の最低限までをまとめます。
目次
初詣 作法を知る前に押さえるポイント
初詣 作法でいちばん大事な考え方の場合
初詣の作法でいちばん大切なのは、手順の暗記より「敬意」と「整える気持ち」です。鳥居や山門の前で一礼する、境内では静かに歩く、神前仏前では姿勢を正す。これだけで雰囲気が変わります。多少混んでいても、丁寧に“区切り”をつける意識が、参拝の満足感を底上げしてくれます。
神社とお寺で初詣 作法が違う場合
神社は神さまにお参りする場所で、基本は二拝二拍手一拝。一方、お寺は仏さまに手を合わせる場所で、基本は合掌して静かに礼(拍手はしない)です。入り口の呼び方も、神社は鳥居、お寺は山門。迷ったら「拍手するのは神社、しないのがお寺」と覚えるとラクです。
混雑していても守りたい最低限の作法の場合
混雑時でも最低限やると印象が整うのは3つ。①鳥居/山門の前で一礼、②参道の真ん中を避けて歩く(端を歩く)、③拝礼はゆっくり。手水が行列なら無理せず、心の中で「清める」意識を持つだけでも十分です。焦って雑になるより、できる範囲で丁寧にが正解です。
初詣 作法の基本手順(鳥居〜お参り〜退出)
鳥居をくぐる
鳥居は「ここから先は神さまの領域」という目印。くぐる前に軽く会釈し、帽子をかぶっているなら外すと丁寧です。鳥居の下で立ち止まりすぎると通行の邪魔になるので、一礼したらスッと進むのがスマート。帰るときも鳥居を出たところで振り返って一礼すると、所作がきれいに締まります。
参道を歩く
参道の中央は「正中(せいちゅう)」とされ、神さまの通り道と考えられています。真ん中を避け、左右どちらかの端を歩くのが基本。歩きながら大声で話したり、食べ歩きしながら神前へ向かったりすると空気が乱れがちなので注意。静かに歩くだけで、参拝前の気持ちが自然に整っていきます。
手水舎で清める
手水は、手と口を清めて心身を整える所作です。柄杓で左手→右手の順に洗い、左手に水を受けて口をすすぎ(柄杓に口をつけない)、もう一度左手を洗います。最後に柄杓を立てて柄を流す流れが基本。混雑時は省略してもOKですが、「整える」意識だけは持っておくと参拝が締まります。
お賽銭・鈴・拝礼
賽銭箱の前では、まず静かにお賽銭を入れます。鈴がある場合は鳴らしてから拝礼へ進むのが一般的。投げ入れるより、そっと入れる方が所作としてきれいです。大切なのは金額より気持ち。財布の都合に合わせて無理せずでOKです。ここから先は二拝二拍手一拝で、落ち着いてゆっくり行います。
お参り後に下がる
拝礼が終わったら、すぐ背中を向けて去るより、一歩二歩下がってから向きを変えると丁寧に見えます。境内の空気を壊さないよう、スマホを取り出すのも少し離れてからが無難。帰り道も参道の中央は避け、鳥居を出たところで軽く一礼。最後まで“静かな区切り”を意識すると、参拝全体の満足度が上がります。
二拝二拍手一拝の初詣 作法
二拝
神前で姿勢を正し、腰を折って深く2回お辞儀します。これが「二拝」。急いでペコペコすると軽く見えやすいので、ゆっくり呼吸しながら行うのがコツです。お辞儀の深さはだいたい90度を目安に、無理のない範囲で丁寧に。最初の二拝は「ご挨拶」の意味合いとして捉えると分かりやすいです。
二拍手
二拝のあと、胸の前で両手を合わせ、2回拍手(柏手)を打ちます。音を大きく鳴らすことより、気持ちを切り替える所作として丁寧に。一般的には、右手を少し下にずらして打つ作法が紹介されることもありますが、混雑時は形にこだわりすぎなくてOK。大事なのは、場に合わせて落ち着いて行うことです。
祈り方(願いの立て方)
拍手のあとに祈ります。コツは「お願い」だけで終わらせず、まず名乗って感謝を添えること。住所や名前を心の中で伝え、昨年のお礼→今年の方針→お願いの順にするとまとまります。叶えてほしいことは、できるだけ具体的に。最後に「見守ってください」と締めると、依存ではなく自分の決意として祈りが立ち上がります。
一拝で締める
祈り終えたら、最後に深く1回お辞儀します。これが「一拝」で、退出の挨拶の意味合い。終わった瞬間にバタバタ移動すると余韻が切れやすいので、ほんの一呼吸置いてから下がると気持ちが整います。神社によっては拍手回数が異なる場合もあるので、周囲の流れや案内板があればそれに合わせるのが安心です。
【お寺別】初詣 作法
山門での初詣
お寺の入口の山門は、俗世と仏さまの世界の境目。門の前で立ち止まり、合掌して一礼すると丁寧です。敷居を踏まない、門をくぐるときに静かに歩く、といった所作もよく案内されます。神社の鳥居と似ているけれど、拍手はしないのが大きな違い。迷ったら「静かに手を合わせる」でOKです。
お賽銭・合掌・一礼の初詣
本堂の前では、お賽銭を静かに入れ、手を胸の前で合わせて合掌し、心の中で祈ります。音を立てる拍手は基本的にしません。お願い事がある場合も、焦って長く唱えるより、短く要点をまとめると気持ちが通りやすい。最後に一礼して終える流れが一般的。宗派で作法が違うこともあるので、案内があれば従いましょう。
鰐口がある時の初詣
本堂に鰐口(わにぐち)と綱がある場合は、軽く鳴らしてから合掌する流れが多いです。鳴らす目的は騒がしくすることではなく、「参拝に来ました」と知らせ、心を切り替える合図。強く連打するより、1回〜2回を丁寧にが無難です。お寺によっては鳴らさない案内もあるので、掲示や周囲の様子を見て合わせると安心です。
焼香がある時の初詣
法要や特別参拝で焼香がある場合は、案内に従うのが最優先。一般的には、香をつまんで香炉へ静かに入れ、合掌して一礼します。回数は宗派や場の進行で異なるため、前の人の動きを参考にすると迷いません。大切なのは丁寧さと静けさ。作法を完璧にするより、落ち着いた所作で心を整えることが“参拝としての正解”です。
初詣 作法(お守り・御朱印・おみくじ)
お守りを受ける
お守りは「自分を整えるスイッチ」みたいなもの。受けたら、まず感謝して大切に扱うのが作法です。持ち方は自由ですが、身につける・財布に入れる・バッグに忍ばせるなど、日常で目に入る場所がおすすめ。古いお守りは、基本的に授かった神社仏閣へ返納します(遠い場合は近隣で相談も可)。溜め込まず、1年の区切りで整え直すと気持ちも軽くなります。
御朱印をいただく
御朱印は「参拝の証」。スタンプラリー感覚で集めるより、参拝してからお願いするのが基本です。受付では御朱印帳を開いて渡し、順番や撮影ルールは案内に従います。混雑期は書き置きになることもあるので、こだわりすぎないのが気持ちいい。受け取ったら、文字や墨に触れないよう注意して保管。静かに丁寧に、がいちばんの作法です。
おみくじを引く
おみくじは「運勢の当て物」より、「今の自分へのメッセージ」として読むと強いです。引いたら、吉凶だけで一喜一憂せず、本文(助言)を必ず読むのが作法。持ち帰る人もいれば、境内の結び所に結ぶ人もいます。どちらでもOKですが、結ぶなら雑に丸めず丁寧に。持ち帰るなら、手帳や財布に入れて時々読み返すと、現実の行動に落としやすくなります。
【マナー】初詣 作法(服装・写真・会話・混雑)
服装で失礼にならない
初詣は正装じゃなくても大丈夫ですが、清潔感がいちばんのマナーです。汚れた靴や、極端にラフすぎる格好は避けると安心。寒い時期なので、防寒を優先してOK。ただし本殿前では帽子を取る、マフラーを少し整えるなど、ひと手間で印象が変わります。服装を整える行為自体が「場に敬意を払う」スイッチになるので、参拝の気持ちも自然と引き締まります。
写真撮影で迷う場合
写真は基本OKのところが多いですが、撮影禁止エリアや祈祷中はNGの場合があります。案内板が最優先。人が写り込む場所では、立ち止まって通路を塞がない、フラッシュを焚かない、参拝中の人を正面から撮らない、が大人の作法です。神前仏前は“祈りの空間”なので、まず参拝してから撮る順番にすると、雰囲気も壊れません。迷ったら撮らない、が一番安全です。
参拝中の会話・スマホで迷う場合
参拝中は会話は小さめ、スマホは必要なときだけ。とくに本殿・本堂の前では、通知音や通話が響きやすいのでマナーモードが安心です。並んでいる間に参拝の手順を確認するのはOKですが、神前に近づいたらスマホをしまって所作に集中すると、気持ちが整います。スピリチュアル的にも“注意を向けた場所”に体験の濃さが宿るので、短い時間でも集中するほど満足感が上がります。
混雑で手順を簡略にしたい場合
混雑時は、フル手順が難しいこともあります。その場合は、①入口で一礼、②できれば手水(無理なら心で清める)、③拝礼をゆっくり、の3点を守れば十分。行列で押されているときほど、深呼吸して動作を一つずつ。焦って雑になると、せっかくの初詣が「疲れた記憶」になりがちです。短くても丁寧にやれば、参拝の“区切り”としてはちゃんと成立します。
【喪中・忌中別】初詣 作法
喪中に初詣へ行く場合
喪中(一般に1年ほど)は、参拝自体が全面的に禁止というわけではない、という案内も多いです。大切なのは「お祝い」より「ご挨拶・祈り」として静かに参拝すること。周囲への配慮が必要なら、混雑を避けて日時をずらすのも良い選択です。気持ちが落ち着かないなら無理はせず、手を合わせるだけでも十分。自分と故人への敬意を最優先に考えてください。
忌中に神社参拝を避ける場合
忌中(仏式では49日、神式では50日など)は、神道では「穢れ」の考え方から神社参拝を控えるべき、とされるケースが多いです。とくに初詣のようなお祝いムードの行事は避けるのが無難。どうしても迷う場合は、参拝予定の神社へ確認するのが確実です。焦って結論を出すより、いまは静かに整える期間だと捉える方が、後々すっきりします。
お寺で初詣を検討する場合
忌中でも「お寺なら参拝して良い」とされる説明もよく見られます。理由は、神道と仏教で死の捉え方が異なるため。ただし、地域や家庭の考え方もあるので、気になる場合は家族と相談すると安心です。参拝するなら、派手に楽しむより、手を合わせて祈り、心を整える目的で静かに。そうすれば“初詣”というより“年初の供養と祈り”として自然な形になります。
具体的な行動(当日のチェックリスト)
出発前にやることを整える
出発前は、まずマナーモード、寒さ対策、賽銭用の小銭、御朱印帳を持つなら袋、を準備。服装は清潔感と防寒優先でOKです。参拝先が神社かお寺かを把握しておくと、拍手の有無で迷いません。喪中・忌中の人は、期間と家族の意向を確認して無理をしないこと。準備を整える行為自体が、初詣の“気持ちのスイッチ”になります。
現地で迷わない順番をメモする
現地で迷いやすいのは手水と拝礼。短くメモしておくと安心です。神社:一礼→手水→賽銭→鈴→二拝二拍手一拝。お寺:一礼→手水→賽銭→合掌→一礼(拍手なし)。混雑時は「入口で一礼」「拝礼をゆっくり」だけでも合格。迷ったら周囲に合わせつつ、落ち着いた所作を優先すると、空気を壊さずに参拝できます。
帰宅後にお守りや御札を扱う
帰宅後は、お守りや御札を「どこに置くか」を決めると運用が楽です。御札は目線より高い場所に、きれいな向きで。お守りは日常で持ち歩くか、部屋の落ち着く場所に。おみくじは読み返せる形で保管すると、行動に落ちます。古いお守りや御札は、次回参拝時に返納するのが基本。溜め込むより、区切りをつけて整え直す方が気持ちも運も軽くなります。
よくある質問(FAQ)
Q: 作法の順番は?
A: 神社なら「一礼→手水→賽銭→鈴→二拝二拍手一拝→一礼で退出」が基本です。お寺は拍手をせず「一礼→(手水)→賽銭→合掌して祈る→一礼」が一般的。混雑時は、入口で一礼と拝礼を丁寧に行うだけでも十分に“参拝”として成立します。
Q: 神社と寺の違い?
A: 一番の違いは拝礼です。神社は神さまへの挨拶として「二拝二拍手一拝」。お寺は仏さまへ静かに手を合わせるので「合掌して一礼(拍手しない)」が基本。入口も鳥居/山門で違います。迷ったら「拍手するのが神社、しないのがお寺」で覚えると失敗しにくいです。
Q: お賽銭はいくら?
A: 金額に“正解”はありません。大切なのは感謝と敬意で、無理のない範囲でOKです。投げ入れるより、そっと入れる方が所作としてきれい。語呂合わせにこだわりすぎて苦しくなるより、「今年も整えて進みます」と気持ちを込めて入れる方が参拝としては本質的です。
まとめ
初詣 作法は、完璧な暗記より「敬意」と「落ち着いた所作」がいちばん効きます。神社は二拝二拍手一拝、お寺は合掌して一礼(拍手なし)。手水や参道の歩き方など最低限を押さえるだけで、参拝の空気に自然になじみます。喪中・忌中は考え方が分かれるので無理をせず、迷うなら参拝先や家族の方針に合わせて調整を。丁寧に区切りをつければ、初詣はちゃんと“今年のスタート”になります。





