干支(かんし)とは、古代中国から伝わる時間や方位を表すための概念で、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせた60種類の周期を指します。干支は、年、月、日、時刻を表すために使われ、特に年の干支として広く知られています。
現代では、十二支が使われている場面が多いですが、干支本来のシステムは、**十干と十二支を組み合わせた「六十干支(ろくじっかんし)」**を基にしています。干支は、占いや暦のシステムとして使われるだけでなく、性格や運勢、運命の流れを占うツールとしても活用されています。
目次
十干(じっかん)とは
十干は、古代中国の陰陽五行説に基づいた10種類の要素で、以下の順序で構成されています。
- 甲(きのえ) – 木の陽
- 乙(きのと) – 木の陰
- 丙(ひのえ) – 火の陽
- 丁(ひのと) – 火の陰
- 戊(つちのえ) – 土の陽
- 己(つちのと) – 土の陰
- 庚(かのえ) – 金の陽
- 辛(かのと) – 金の陰
- 壬(みずのえ) – 水の陽
- 癸(みずのと) – 水の陰
十干は、陰陽と五行(木、火、土、金、水)の組み合わせで成り立っており、これにより物事の性質や流れを示します。陽(え)は積極的で外向き、陰(と)は受動的で内向きという特徴を持っています。
十二支(じゅうにし)とは
十二支は、12種類の動物を象徴として使い、方位や時間、年などを表すために使われています。十二支は、以下の順番で並べられます。
- 子(ね) – ネズミ
- 丑(うし) – 牛
- 寅(とら) – 虎
- 卯(う) – 兎
- 辰(たつ) – 龍
- 巳(み) – 蛇
- 午(うま) – 馬
- 未(ひつじ) – 羊
- 申(さる) – 猿
- 酉(とり) – 鶏
- 戌(いぬ) – 犬
- 亥(い) – 猪
十二支は、日本では特に年の干支として広く知られており、十二年周期でその年を象徴する動物が変わります。たとえば、2020年は「子年(ねどし)」、2021年は「丑年(うしどし)」です。
六十干支(ろくじっかんし)
六十干支は、十干と十二支を組み合わせたもので、60種類の干支を形成します。六十干支は、10と12の最小公倍数である60年周期で巡ります。たとえば、「甲子(きのえね)」から始まり、「癸亥(みずのとい)」で終わります。この60年を1サイクルとして、干支が毎年変わっていきます。
例:
- 甲子(きのえね)
- 乙丑(きのとうし)
- 丙寅(ひのえとら) …
- 癸亥(みずのとい)
この六十干支は、暦や占い、性格判断にも用いられ、たとえば生まれた年の干支によってその人の運命や性格を占う「干支占い」が行われます。
干支の使われ方
1. 年の干支
一般的に干支といえば、年の干支を指すことが多いです。干支占いでは、その年の干支からその年の運勢を占ったり、生まれた年の干支を基にして性格や運命を読み解きます。
2. 時間を表す
干支は、時間を表す際にも使われます。12時を12の干支で割り当て、それぞれの時間帯を象徴します。たとえば、「子(ね)」は夜中の11時から1時まで、「午(うま)」は昼の11時から1時までを指します。
3. 方位を示す
干支は、方位を示すためにも使われます。十二支は円形に並べられ、コンパスのように各方向を表現します。たとえば、「子」は北、「午」は南を示します。
干支と占い
干支は、占いの世界でも非常に重要な役割を果たしています。特に生まれた年の干支に基づく占いでは、性格、運命、相性などが判断されます。
1. 性格占い
生まれた年の干支は、その人の基本的な性格や運命の傾向を表すとされています。たとえば、「子(ね)」の年に生まれた人は賢く、素早い、また「午(うま)」の年に生まれた人は自由で活発といった特徴を持つとされます。
2. 相性占い
干支同士の相性を基にして、人間関係の相性やパートナーとの相性を占うことができます。たとえば、互いに相性の良い干支の組み合わせは、協力しやすい関係になるとされています。
3. 運勢占い
その年の干支によって、特定の人にとって良い年なのか、注意すべき年なのかを占います。たとえば、自分の生まれた干支の年が巡ってくる「本命年(ほんめいねん)」は、人生の大きな転換期を示すことが多く、特別な意味を持つとされています。
まとめ
干支(かんし)は、十干と十二支を組み合わせた60年周期の暦や時間、方位を示すためのシステムです。年の干支として広く知られており、生まれた年の干支を基にして、性格や運勢、相性を占うためのツールとしても用いられます。また、時間や方位の表現にも使われ、古代中国から伝わる陰陽五行説の要素を含んだ占いや暦の基礎として現代でも多く活用されています。