オーブ(Orb)は、占星術において、2つの天体が特定のアスペクト(角度)を形成するときに、その角度に許される誤差を指します。天体同士が厳密な角度を取っていなくても、オーブの範囲内であれば、そのアスペクトは有効と見なされ、ホロスコープにおいて意味を持ちます。
目次
オーブの役割
占星術で天体同士が作る角度をアスペクトと呼び、特定のアスペクトは、個人の性格や運勢に大きな影響を与えるとされています。しかし、天体が完全にピッタリとした角度でアスペクトを形成することは少なく、誤差が生じることが多いため、その許容範囲をオーブと呼んでいます。
たとえば、太陽と月が120度のトライン(調和的な角度)を形成する場合、実際には117度や123度でもトラインと見なされます。このような許容される誤差の範囲を「オーブ」として定め、一般的にアスペクトが有効かどうかを判断します。
オーブの範囲
オーブの範囲は、天体やアスペクトの種類によって異なります。たとえば、主要な天体(太陽、月)には広めのオーブが許され、外惑星やマイナーな天体の場合は、より狭いオーブが適用されることが多いです。一般的なオーブの範囲は次の通りです。
1. 主要な天体
太陽と月: 8~10度のオーブが許されることが多いです。
2. 外惑星
3. マイナーな天体
小惑星やその他の天体には、一般的に1~2度のオーブが許されます。
アスペクトごとのオーブの使い方
特定のアスペクトによってもオーブの範囲は異なります。主要なアスペクトであれば広めのオーブが許されますが、マイナーなアスペクトでは、より厳密な角度が必要です。
1. メジャーアスペクト
コンジャンクション(0度):広めのオーブ(最大10度程度)を適用します。天体同士が非常に強く影響し合うため、幅広い範囲で効果が感じられます。
トライン(120度):通常、6~8度のオーブが適用されます。
スクエア(90度)、オポジション(180度):これらのアスペクトは、5~7度程度のオーブが使われます。
2. マイナーアスペクト
セクスタイル(60度):4~6度のオーブが一般的です。
クィンカンクス(150度):1~3度のオーブを適用することが多いです。
オーブが意味すること
オーブが大きい場合、アスペクトの影響はより緩やかになります。逆に、天体がアスペクトに対して厳密に近い場合(オーブが小さい場合)、そのアスペクトの影響力は強まると考えられます。たとえば、太陽と月が正確に120度でトラインを形成している場合、その調和のエネルギーは非常に強力ですが、118度や122度の場合、その影響力はやや緩やかになります。
オーブの使用方法
占星術師によってオーブの適用範囲には個別の解釈があります。一部の占星術師は、広いオーブを許す場合もあれば、狭いオーブのみを重視する場合もあります。また、ネイタルチャート(出生図)においては、広いオーブが許される傾向があり、トランジット(現在の天体の動きに基づく予測)では、狭いオーブで精密に見ることが多いです。
まとめ
オーブは、占星術においてアスペクトが形成される際の誤差の許容範囲を示す重要な概念です。天体同士の角度にある程度の誤差があっても、そのアスペクトが有効とされるため、オーブを理解することで、ホロスコープの解釈がより柔軟で正確になります。オーブの大きさにより、アスペクトの影響力が強まったり弱まったりするため、占星術の解釈においてオーブを適切に判断することが重要です。