磁北(じほく)は、地球の磁場においてコンパスの針が指す北の方向を意味します。これに対して、地図上で示される**真北(しんほく)**は、地球の地軸に基づいた北極点の方向を指します。磁北は、地球の磁場の影響を受けており、年々少しずつ位置が変化しています。これは、地球内部の液体金属の動きや、その他の磁気的な要因によって磁場が変動しているためです。
磁北と真北の違い
磁北と真北は、しばしば混同されることがありますが、地理的な意味と実際の位置は異なります。
- 磁北: コンパスの針が指す方向。これは、地球の磁場に従っており、地図上の真北とは一致しません。
- 真北: 地図や地球儀で示される、地球の自転軸が地球の表面に突き刺さる点、すなわち地理上の北極点の位置。
偏角という概念もあり、これは真北と磁北の間に生じる角度のことで、場所によって異なります。たとえば、ある場所ではコンパスの針が真北から数度ずれた方向を指すことがあります。このズレが「磁北」と「真北」の違いによって生じます。
磁北の変動
磁北は固定されているわけではなく、常に移動しています。現在の磁北極はカナダ北部からシベリアの方向に向かって移動しています。これは、地球内部の液体外核の動きにより、地球の磁場が変動しているためです。
この変動により、磁北の位置が少しずつずれていくため、コンパスを使う際にはその時点での偏角を考慮し、正確な方位を知るために補正を行う必要があります。特に、航空業界や航海業界では、これが重要な要素です。
磁北の活用と注意点
磁北は、古くからナビゲーションや方向感覚を確かめるために使用されてきました。コンパスが指す北の方向を頼りに、陸上でも海上でも目的地に向かって進むことができます。ただし、磁北と真北の差があるため、特に長距離の移動ではその差を補正することが必要です。
- コンパスの使用: 磁北に従って進むため、現在位置の偏角を知り、必要に応じて修正を行うことが重要です。
- 地図の使用: 地図は真北を基準に作成されていますが、コンパスが指す磁北とのずれを考慮して、方角を正確に定める必要があります。
まとめ
磁北は、地球の磁場に基づいてコンパスが指す北の方向であり、年々変動します。これに対して、真北は地球の自転軸に基づいた北極点の位置です。コンパスを使用する際には、**磁北と真北の違い(偏角)**を考慮することが重要です。