ライダー版

ライダー版(Rider-Waite Tarot)は、20世紀初頭にイギリスで誕生したタロットカードのデッキで、タロットカードの中で最も有名で標準的なデザインです。このデッキは、イギリスの魔術師で神秘主義者のアーサー・エドワード・ウェイト(Arthur Edward Waite)と、アーティストのパメラ・コールマン・スミス(Pamela Colman Smith)によって制作されました。名前の由来である「ライダー」は、このタロットデッキの出版元である「ライダー社(William Rider & Son)」を指しています。

ライダー版タロットの特徴

ライダー版タロットは、独自の象徴体系と、わかりやすい絵柄が特徴であり、特に以下の点で他のタロットデッキと異なります。

大アルカナ(22枚)の象徴性

各カードには、特定の象徴や物語的な意味が含まれており、一般的に「愚者」「魔術師」「女教皇」などの大アルカナカードには深い寓意が込められています。

ライダー版では、特に象徴性や物語性が強調されており、絵を通じて直感的な解釈がしやすくなっています。

小アルカナ(56枚)の絵柄

ライダー版では、全ての小アルカナにイラストが描かれているため、数札(1~10のカード)でも視覚的にメッセージを読み解くことができます。例えば「カップの3」には楽しげな女性が描かれ、友情や祝福を表すなど、感情豊かな解釈が可能です。

この絵柄の詳細なイラストは、解釈の幅を広げ、初心者でも分かりやすいのが特徴です。

象徴的な要素

パメラ・コールマン・スミスによって描かれたこのデッキには、西洋の伝統的な神秘主義やカバラ思想が取り入れられており、カードの中にさまざまなシンボルが潜んでいます。

ライダー版のカードには、色、配置、装飾品など細部に至るまで意味が込められており、カードの解釈に奥深さを与えています。

ライダー版タロットの構成

ライダー版は、他のタロットデッキと同様に78枚のカードで構成されています。

  • 大アルカナ(22枚):人生の重要なテーマや変化、運命を象徴するカードで、番号付き(0から21まで)で、愚者、魔術師、女教皇、皇帝、恋人、運命の輪、死神、悪魔、太陽などが含まれます。
  • 小アルカナ(56枚):4つのスート(ワンド、カップ、ソード、ペンタクル)に分かれ、それぞれのスートに1~10の数札と、4枚のコートカードキング、クイーン、ナイトペイジ)があります。小アルカナは日常的な出来事や感情を象徴しています。

ライダー版タロットの活用方法

ライダー版タロットは、現在、世界中のタロットリーディングで最も広く使われており、解釈のしやすさから、初心者から上級者まで幅広く活用されています。

個人リーディング

相談者の質問に対して、カードの象徴から深い意味を読み取り、助言を与えたり、人生の選択肢を示唆したりします。占いの中でも、恋愛、仕事、金銭、健康などあらゆる分野に対応できます。

スプレッドのバリエーション

過去・現在・未来などを読む「スリーカードスプレッド」や、深い意味を探る「ケルト十字スプレッド」など、ライダー版は多様なスプレッドでカードを並べ、複合的な意味を解釈するのに適しています。

象徴の学び

カードに込められた意味や背景にあるシンボルの理解を深めることで、西洋の神秘主義や占星術、カバラなどの象徴体系を学ぶ教材としても活用されています。

ライダー版タロットの影響と現代での人気

ライダー版タロットは、今日のタロットリーディングにおける「標準的なデッキ」として確固たる地位を持ち、数多くの派生デッキの基礎となっています。また、イラストのシンプルで象徴的なデザインが、タロットに親しみやすさをもたらし、初心者にも取り組みやすくしていることから、タロット学習用の定番デッキとして用いられています。

さらに、ライダー版の図像や象徴は、他のオリジナルデッキや現代のタロットカードに多大な影響を与え、多くのタロットデッキはライダー版をベースにしたデザインや構成を持っています。

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