立筮

立筮(りっせい)は、古代中国から伝わる占いの方法で、筮竹(ぜいちく)と呼ばれる細い竹やサイコロを用いて運勢吉凶を占う技法です。易経(えききょう)に基づいた「易占(えきせん)」の一種で、現代では「易占」や「易断」などの呼び名でも知られています。立筮は、主に周易の「六十四卦(ろくじゅうしか)」と呼ばれる64種類の卦(か)を立て、占いたい事柄に応じた運勢や方向性を示すためのものです。

立筮の目的と用途

立筮は、人生の岐路や日常の決断において、方針や運勢を知るための指針として活用されます。そのため、恋愛や結婚、仕事、健康、家族に関する相談事に対して「吉凶」や「時期」など、具体的なアドバイスが求められる際に用いられることが多いです。

立筮の仕組みと基本構成

立筮は「筮竹」や「サイコロ」を使って行われ、最終的に六十四卦のいずれかに落ち着かせ、そこから運勢や指針を読み解きます。具体的には、「陰」と「陽」の組み合わせによって構成される「六(ろくこう)」を立て、卦を生成します。

 六十四卦(ろくじゅうしか)

六十四卦は、陰と陽の組み合わせにより64種類の卦が生成され、各卦に異なる意味や運勢が示されています。例えば、吉運を示す卦、逆に凶運を示す卦など、それぞれが人生における特定の状況や運気の流れを表しています。立筮の結果で出た卦を見て、その意味を読み取ることで、未来の運勢や目標達成の可能性を判断します。

爻(こう)と爻辞(こうじ)

立筮では、六爻と呼ばれる6本の線を組み合わせた形で卦を立て、各爻の意味を示す爻辞(こうじ)を読み解きます。一本一本の爻は、陽または陰のいずれかで表され、それぞれの線が現在や未来に対する影響を表します。例えば、上に位置する爻は未来の運勢、下に位置する爻は現在の状況を示すとされています。

筮竹(ぜいちく)を用いた方法

伝統的な立筮では、50本の筮竹を用いて占う方法が採用されます。筮竹は、易経に基づいた陰陽の組み合わせをランダムに作り出す道具で、複雑な操作によって吉凶を読み取ります。最近では、簡便な方法としてサイコロを使って卦を立てる方法や、コンピュータを用いた立筮もあります。

立筮の手順と実施方法

立筮は、特定の問いに対して六十四卦を生成し、その卦を基に結果を判断する占い方法です。以下は、立筮の基本的な手順です。

  1. 占いたい質問を設定する
    立筮を行う際には、まず「何を知りたいか」「どのような指針が欲しいか」といった問いを明確に設定します。
  2. 筮竹やサイコロで六爻を立てる
    筮竹またはサイコロなどを使い、6本の爻を作り出し、六十四卦のうち1つを形成します。この爻の組み合わせにより、最終的な卦が決定されます。
  3. 出た卦を易経に基づいて解釈する
    出現した卦に基づき、易経の中に示されている意味や吉凶を解釈し、質問に対する答えや運勢の指針を読み解きます。たとえば、出た卦が「泰(たい)」の場合、安定や調和を意味し、良い運気が巡ってきていることを示します。
  4. 爻辞や象辞(しょうじ)を読み解く
    各爻の意味が示された爻辞や、卦の全体的な象意を示す象辞を読み解くことで、質問に対するより詳細な答えが得られます。

立筮の応用分野

恋愛や結婚

立筮は、恋愛や結婚運についての問いに対しても活用され、相手との相性や将来の見通しを占うことができます。例えば、相手との未来がどのように進展するか、結婚のタイミングが良いかどうかなど、具体的なアドバイスが得られることが多いです。

仕事やキャリア

立筮では、仕事運やキャリアの方向性についても詳細に占うことができ、転職や昇進の適切なタイミングを知るための指針が得られます。キャリアアップの可能性や、新しい挑戦に対するリスクや成果についても、出た卦をもとにして判断します。

健康や家庭運

立筮は、健康状態や家庭運に関する問いに対しても使われ、現状のリスクや、運勢の変化に基づいた健康管理のアドバイスが提供されます。特に体調が優れない時や家族間の関係について、どのように対処するべきかの指針を得る手段として重宝されています。

財運や金銭運

立筮を使って財運や金銭に関する運勢も占うことができ、投資やビジネスの判断材料を知るために役立ちます。金銭運が安定している時期か、注意が必要な時期かなどが出た卦を通じて読み取ることが可能です。

立筮の歴史と現代での活用

立筮は、古代中国の周代に発展し、易経とともに受け継がれてきた歴史ある占い方法です。日本にも奈良時代以降に伝わり、易学として発展しました。現代でも、伝統的な立筮が改良され、占術家やカウンセラー、風水師などによって多様な分野で活用されています。また、易学に基づいた立筮は、古典的な占いとしての信頼性が高く、重要な決断を下す際の指針として用いられ続けています。

まとめ

立筮(りっせい)は、易経に基づく占術で、筮竹やサイコロなどを用いて吉凶や運勢を占う方法です。六十四卦と呼ばれる64種類の卦をもとに運勢や未来を読み解き、人生の岐路や日常の判断に対する助言を得る手段として用いられています。立筮の結果で出た卦や爻を読み取ることで、恋愛や仕事、健康など、あらゆる分野に対する具体的なアドバイスが提供されます。

立筮は、古代から続く伝統的な占術であり、易経を基にした深い知識が必要な占い方法ですが、人生の重要な決断や運勢の指針を知るための手段として、現代でも重宝されています。

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