天干

天干(てんかん)は、古代中国の陰陽五行説に基づく十の基本要素であり、甲(こう)、乙(おつ)、丙(へい)、丁(てい)、戊(ぼ)、己(き)、庚(こう)、辛(しん)、壬(じん)、癸(き)の10種類から成ります。これらの天干は、暦や占術、風水などで使用され、年、月、日、時間を表す際に地支(十二支)と組み合わせて用いられます。天干は、主に時間の流れや運勢を占う際に重要な役割を果たし、自然界のエネルギーや陰陽のバランスを示すものとして理解されます。

天干は五行(木・火・土・金・水)と陰陽に分類され、個々の干が特定の性質や意味を持っています。以下は、各天干の特徴と意味を簡単に示します。

天干の一覧と特徴

甲(こう) – 陽の木

甲は、大木や木の芽吹きを徴する陽の木を意味し、成長や発展、リーダーシップを表す性質を持ちます。甲のエネルギーを持つ人は、積極的で前向き、物事を切り開いていく力があります。

乙(おつ) – 陰の木

乙は、柔らかくしなやかな草木を表す陰の木で、柔軟性や調和、繊細さを徴します。乙の性質を持つ人は、柔らかい態度で物事を進めることが得意で、協調性を重んじます。

(へい) – 陽の火

は、太陽や燃え盛る炎を象徴する陽の火を意味し、情熱やエネルギー、明るさを表しますを持つ人は、活発で熱意を持ち、前向きに物事に取り組む性質があります。

丁(てい) – 陰の火

丁は、ろうそくの火や控えめな炎を徴する陰の火で、繊細さや内面的な情熱を示します。丁の性質を持つ人は、内面的に温かく、粘り強い努力をする傾向があります。

(ぼ) – 陽の土

は、大地や山のように堅固で安定した陽の土を表し、安定感や守る力を象徴しますのエネルギーを持つ人は、粘り強く、安定した行動をすることが得意です。

己(き) – 陰の土

己は、畑や柔らかい土を徴する陰の土で、柔軟性や人を育む力を持ちます。己の性質を持つ人は、調整力に優れ、柔軟に対応することができます。

(こう) – 陽の金

は、鋼鉄や刀剣を象徴する陽の金で、強さや決断力、改革の力を持ちますを持つ人は、強い意志を持ち、物事に果敢に挑む性質があります。

辛(しん) – 陰の金

辛は、宝石や磨かれた金属を徴する陰の金で、鋭さや洗練、知性を表します。辛の性質を持つ人は、洗練された感性や、細やかな対応をする力があります。

(じん) – 陽の水

は、大海や川の流れを象徴する陽の水で、広大さや変化、包容力を持ちますを持つ人は、自由で大きな発想力を持ち、変化に対応する力があります。

(き) – 陰の水

は、雨や霧のような柔らかな水を象徴し、柔軟性や浸透する力を持ちますの性質を持つ人は、静かに物事に取り組み、人々を癒す力を持つ傾向があります。

天干の陰陽と五行

天干は、五行(木・火・土・金・水)の要素に基づき、それぞれが陰と陽の性質を持つことで、10種類の干が形成されています。陰陽のバランスによって、それぞれの性質やエネルギーの発現が異なるため、占いではこのバランスを重要視します。

  • 木(甲、乙):成長や発展を示すエネルギー。甲は陽で、乙は陰。
  • 火(、丁):情熱やエネルギー。は陽で、丁は陰。
  • 土(、己):安定や変化を調整する力。は陽で、己は陰。
  • 金(、辛):強さや洗練された力。は陽で、辛は陰。
  • 水(、癸):包容力や変化をもたらす力。は陽で、癸は陰。

天干の役割

暦における天干の利用

天干は、地支(十二支)と組み合わせて六十干支を形成し、暦や干支占いに用いられます。これにより、年、月、日、時間におけるエネルギーの流れを読み取り、運勢や吉凶を判断します。

四柱推命での活用

四柱推命では、年柱、月柱、日柱、時柱の各柱に天干と地支が組み合わされ、その人の性格や運勢を読み解くための基礎となります。特に、日柱の天干(日干)はその人自身を象徴し、他の柱との関係を見て運勢を分析します。

五行バランスの調整

天干は、五行のバランスを見極める際に重要な要素となります。陰陽や五行のバランスが整っているかどうかを判断することで、その人の運勢や健康状態、性格の傾向などをより詳しく知ることができます。

まとめ

天干(てんかん)は、十干から成る要素で、陰陽五行のエネルギーを示し、暦や占術において重要な役割を果たします天干の性質や組み合わせを理解することで、運勢や性格、人生の流れを深く読み解くことが可能です。天干と地支の組み合わせを通じて、複雑な運勢のバランスを見極め、より良い人生を築くための指針とすることができます。

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