後天八卦(こうてんはっけ)は、古代中国の易経(えききょう)や風水に基づく重要な概念で、自然のエネルギーや運勢の変化を示す方位図です。八卦(はっけ)とは、陰陽思想に基づく8つのシンボルで、自然現象や宇宙の法則を象徴します。後天八卦は、これらの八卦が方位に対応しており、時間の経過や変化を反映し、風水や占いに使われます。
後天八卦図は、風水における建物の配置や、個人の運勢の判断に広く使われ、時間や空間のエネルギーの流れを読み取るための重要なツールです。
目次
八卦の構成
八卦とは、自然界の基本的な8つのエネルギーを表すシンボルであり、以下の要素で構成されています。各卦には、三本の線(爻)があり、陽の線(-)と陰の線(- -)で表されます。これが組み合わさり、8つの卦となります。
1. 乾(けん)
- 方位:北西
- 要素:天
- 象徴:力強さ、リーダーシップ、父性的エネルギー
2. 坤(こん)
- 方位:南西
- 要素:地
- 象徴:母性、安定、受容、柔和なエネルギー
3. 震(しん)
- 方位:東
- 要素:雷
- 象徴:活力、行動力、新しい始まり
4. 巽(そん)
- 方位:南東
- 要素:風
- 象徴:拡大、成長、柔軟さ、発展
5. 坎(かん)
- 方位:北
- 要素:水
- 象徴:知恵、内省、危険、流動性
6. 離(り)
- 方位:南
- 要素:火
- 象徴:明るさ、直感、情熱、創造性
7. 艮(ごん)
- 方位:北東
- 要素:山
- 象徴:静止、忍耐、学び、変化の前段階
8. 兌(だ)
- 方位:西
- 要素:沼
- 象徴:喜び、社交、表現、楽しみ
後天八卦の役割
後天八卦は、自然界や人間社会のエネルギーの変化を時間の流れに沿って反映するものであり、方位ごとのエネルギーの影響を理解するために使われます。風水では、後天八卦を使って建物の配置や家具のレイアウトを決めることで、良いエネルギーを取り入れ、悪いエネルギーを避けることができるとされています。
後天八卦図の特徴
- 時間の流れを表す:後天八卦は、時間の変化を考慮してエネルギーの動きを読み取ります。これにより、家やオフィスの設計や配置、個人の行動計画などを決める際の指針として使われます。
- 運勢を判断する:後天八卦図に基づいて、各方位に関連する運気を判断し、その年や月ごとの吉方位や凶方位を見極めることができます。
- 吉凶を決める:特定の方位に強いエネルギーがある場合、その方角に向かうことで運勢を改善できるとされています。また、凶方位を避けることで、不運やトラブルを回避できます。
先天八卦と後天八卦の違い
先天八卦と後天八卦は、どちらも八卦を基にした方位図ですが、それぞれ異なる役割を持っています。
- 先天八卦:宇宙の普遍的で不変の秩序を象徴し、万物の根源的なエネルギーを表す静的な図。物事の始まりや、原理原則に基づくエネルギーの調和を重視します。
- 後天八卦:時間の流れに応じて変化するエネルギーの配置を示し、現実の世界における変化や発展を象徴する動的な図。社会や人間の変化に適応した運勢や吉凶を示します。
後天八卦は、現実世界のエネルギーの流れを理解し、適切な行動や方位の選択をするための指針として用いられます。
後天八卦の風水での活用
後天八卦は、風水において特に重要なツールです。家やオフィス、建物全体のエネルギーの流れを調整するために、方位に応じた吉凶を判断し、最適な環境を作り出します。
1. 家のレイアウトや設計
家やオフィスの設計において、後天八卦図を使って建物の方位や部屋の配置を決定します。特定の方位に対して、どのようなエネルギーが流れているかを判断し、各部屋や家具の配置を最適化することで、家全体の運気を高めることができます。
2. 方位を基にした行動指針
後天八卦を使って、吉方位を見つけ出し、その方位に向かうことで運勢を改善したり、凶方位を避けることでトラブルを回避することができます。特に旅行や引越し、ビジネスの決定において、後天八卦が方位選びの指針となります。
3. 健康や人間関係の改善
後天八卦図を用いて、健康運や人間関係の運気を改善するための方位や空間レイアウトを調整することも可能です。たとえば、東の震の方位は成長や健康を象徴するため、この方位を強調することで、活力や健康運が高まるとされます。
まとめ
後天八卦(こうてんはっけ)は、風水や占術において、方位に基づいて時間の流れやエネルギーの変化を読み解くための重要な方位図です。八卦のシンボルがそれぞれの方位に配置され、家の設計や生活環境の改善、個人の運勢判断に活用されます。
後天八卦を理解し、適切に活用することで、日常生活やビジネス、健康などにおいて良いエネルギーを取り入れ、運気を改善することが可能です。また、先天八卦と対比して、後天八卦は現実世界での変化に応じた調整が必要な場面で役立つツールとなります。