十二天将(じゅうにてんしょう)は、陰陽道や道教に由来する天の神々のことで、各天将が時刻や方位、運勢などを司るとされる存在です。十二天将は、1日を12の時間帯に分け、それぞれの時間帯(時辰)や方位に関連して、守護する神々として考えられています。この概念は、特に陰陽道や風水、占いなどの領域で重要な役割を果たしており、個々の天将がその時間や方位に特有のエネルギーを持ち、運勢に影響を与えるとされています。
十二天将は、日本の陰陽道においても重要な存在として知られており、特に方位や時刻の占いに使われることが多いです。また、十二天将は仏教における護法神としての役割も持っており、寺院の護衛や、人々を災厄から守る神として信仰されています。
十二天将の役割
十二天将は、1日24時間を12に分けた「十二時辰(じゅうにじしん)」のそれぞれの時間帯や方位を守護しています。各天将は異なる属性やエネルギーを持っており、それが特定の時間や方位、運勢に影響を与えます。たとえば、ある天将が司る時間帯や方位では、特定の行動や決断をするのが吉とされることもあります。
十二天将の一覧
以下は、十二天将の代表的な名前とそれぞれの役割についてです。各天将はそれぞれの時間や方位、特定の属性を象徴しています。
- 青龍(せいりゅう)
– 方位: 東
– 属性: 春、新しい始まり、繁栄、成長
– 役割: 東方を守護し、成長と繁栄を司る。新しいプロジェクトを始めるのに適した時期とされる。 - 朱雀(すざく)
– 方位: 南
– 属性: 夏、活力、熱意、成功
– 役割: 南方を守護し、情熱や成功を促す。社会的な評価や地位の向上に関わる。 - 勾陳(こうちん)
– 方位: 中央(天地の中心)
– 属性: 大地、安定、保護
– 役割: 土のエネルギーを司り、安定や守護をもたらす。家庭や生活の基盤を強化する。 - 白虎(びゃっこ)
– 方位: 西
– 属性: 秋、収穫、戦い
– 役割: 西方を守護し、戦いの勝利や成果を象徴。収穫や実りの象徴であり、成果を享受する時期とされる。 - 玄武(げんぶ)
– 方位: 北
– 属性: 冬、守護、安定、忍耐
– 役割: 北方を守護し、忍耐や持久力を象徴。困難な時期に耐え抜き、守りを固める。 - 天空(てんくう)
– 方位: 上空、天界
– 属性: 精神的な成長、知恵、直感
– 役割: 天の領域を司り、精神的な成長や直感を促す。瞑想や精神的な探求に適している。 - 騰蛇(とうだ)
– 方位: 南西
– 属性: 変化、謀略、秘密
– 役割: 変化や策略を司り、隠された真実を明らかにする。隠密行動や計略を意味することが多い。 - 朱雀(すざく)
– 方位: 南
– 属性: 熱意、炎、社会的な成功
– 役割: 熱意や情熱、社会的な成功を象徴し、成功や名声を司る。 - 貴人(きじん)
– 方位: 東北
– 属性: 成長、開運、成功
– 役割: 成功をサポートし、重要な貢献者や助け手を象徴する。 - 太陰(たいいん)
– 方位: 西南
– 属性: 影、直感、月のエネルギー
– 役割: 月の力を司り、感情や精神性、影の部分に働きかける。 - 天后(てんこう)
– 方位: 北東
– 属性: 統治、守護、知恵
– 役割: リーダーシップや知恵を象徴し、特に家族や共同体の守護に関わる。 - 天王(てんおう)
– 方位: 東南
– 属性: 王権、威厳、支配力
– 役割: 王権やリーダーシップを象徴し、特に統治者や権力者の守護を司る。
十二天将と運勢
陰陽道や占いの中では、十二天将は方位や時間によって吉凶を決定する要素の一つとして扱われます。例えば、ある方位が特定の天将に守護されていると、その方位に向かって行動を起こすことが吉とされる場合があります。また、十二天将は、特定の時辰(時間帯)や日付に基づいて、運勢やタイミングを占うのにも使われます。
十二天将による占い
十二天将は、時間や方位と密接に関連しており、これらを基に運勢を占います。たとえば、ある時間帯にどの天将が守護しているかによって、その時間に適した行動を判断したり、重要な決定を下すタイミングを見極めたりします。
- 吉方位の利用: 特定の天将が守護する方位に向かって旅行や引っ越しを行うと、その人の運勢が向上するとされています。
- 天将の時間帯に合わせた行動: 天将が司る特定の時間帯に行動を起こすことで、成功や繁栄を引き寄せると考えられています。
まとめ
十二天将は、陰陽道や道教において方位や時刻、運勢を司る天の神々のことを指し、特定の方位や時間帯において守護や運勢に影響を与えるとされています。十二天将は、それぞれが異なる属性を持ち、特定の時期や方向に適した行動を導き、成功や繁栄、守護をもたらすと信じられています。風水や占い、陰陽道において、十二天将の知識を活用することで、吉方位や吉時間を見極め、運勢を向上させるための指針として利用されています。