私たちが普段、方位磁石やカレンダーで目にする方位の考え方は、実は「現実世界」のルール。それとは別に、東洋占術には宇宙が誕生した瞬間の完璧なバランスを示す「先天定位(せんてんていい)」という概念が存在します。いわば、宇宙の「デフォルト設定」。この理想的な秩序を知ることで、私たちは空間のエネルギーを根本から整える知恵を得ることができるのです。
目次
先天定位とは?本質の深掘り

伏羲(ふっき)が読み解いた宇宙の理
先天定位とは、古代中国の伝説的な帝王・伏羲が、天地自然の観察から導き出した八卦(はっけ)の原初的な配置です。これは「伏羲八卦(ふっきはっけ)」とも呼ばれ、人間社会の都合が入る前の、純粋な自然界の秩序を表現しています。
豆知識としての補足:
一般的に風水で使われる「北西が乾」という方位は「後天定位(文王八卦)」という別のルールに基づいています。先天定位では、エネルギーの対比(天と地、火と水など)を重視した、より哲学的な並びになっています。
先天定位の八卦と象徴
先天定位では、宇宙の根源的なエネルギーが「対極」に配置され、バランスを保っています。代表的な向かい合う組み合わせは乾2194;坤(天と地)、離↔坎(火と水)、震↔巽(雷と風)、艮↔兌(山と沢)です。
| 八卦 | 読み | 象徴 | 役割 | 意味・エネルギー |
| 乾 | けん | 天 | 父親 | 創造、強固な意志、純粋な陽 |
| 坤 | こん | 地 | 母親 | 受容、慈愛、広大な大地 |
| 離 | り | 火 | 中女 | 輝き、知性、外向的なエネルギー |
| 坎 | かん | 水 | 中男 | 柔軟、深淵、内省的なエネルギー |
| 震 | しん | 雷 | 長男 | 始動、衝撃、成長への勢い |
| 巽 | そん | 風 | 長女 | 浸透、情報、柔軟な広がり |
| 艮 | ごん | 山 | 少男 | 停止、蓄積、不動の精神 |
| 兌 | だ | 沢 | 少女 | 悦び、交流、豊かな実り |
先天と後天の違い:理想と現実
風水や占術を深く理解するには、この「2つの定位」の使い分けが重要です。
先天定位(理想)
- 宇宙の「体(たい)」。物事の根本的な性質や、先天的な宿命、精神的な調和を表します。
- 例えるなら、「設計図」や「取扱説明書」です。
後天定位(現実)
- 宇宙の「用(よう)」。時間の経過や四季の移り変わり、具体的な吉凶を占う際に使います。
- 例えるなら、「実際に建てられた家」や「運用状況」です。
現代の風水では、後天定位で現実的な運気を調整しつつ、先天定位の考え方を取り入れることで、より深いレベルでの「気の安定」を図ります。
先天定位を生活に活かす開運アクション
宇宙の理想的なバランスを、あなたの居住空間に取り入れるヒントです。
「対極」のバランスを意識する
先天定位は「天と地」のように対になる要素が向き合っています。部屋づくりでも、明るい場所(陽)と落ち着いた場所(陰)のバランスを意識すると、空間の気が安定します。
自然の象徴を配置する
特定のエリアに八卦の象徴(山の写真、水槽、観葉植物など)を置く際、先天定位の「理想のエネルギー」をイメージして配置すると、家全体の精神的な格が上がりやすくなります。
内面を整える指針にする
先天定位は自分の「内なる宇宙」を整えるツールでもあります。迷いがある時は「山(艮)」のように止まり、動く時は「雷(震)」のように果敢に挑む。この自然のリズムを意識することが、真の開運に繋がります。
よくある質問(FAQ)
Q. 先天と後天の違いは?
A:先天は「宇宙の理想・不変の理」であり、後天は「現実の活動・変化」に基づいた配置です。
Q. どちらを重視すべき?
A:現実の運気改善には後天を、精神的な安定や根本的なエネルギー調整には先天を重視します。
Q. 初心者でも活用できる?
A:はい。「すべての物事には理想のバランスがある」と意識するだけで、空間の見え方が変わります。
まとめ
先天定位(せんてんていい)は、私たちが慌ただしい日常で見失いがちな「宇宙本来の完璧な秩序」を思い出させてくれる鏡のようなものです。理想の形を知っているからこそ、現実の歪みを正すことができるのです。
自然界の力強いリズムをあなたの生活に重ね合わせることで、空間だけでなく心の中にも、揺るぎない調和のエネルギーが流れ始めるはずです。





