干支暦(かんしれき)は、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせて、年、月、日、時間を表す古代中国発祥の暦法です。日本や中国の伝統的な暦や運勢占いに使われてきました。干支暦は、年を区別するシステムとしてだけでなく、占いや運勢判断の基礎としても利用され、四柱推命や九星気学といった占術で重要な役割を果たしています。
目次
干支暦の構成
干支暦は、十干と十二支を組み合わせて60種類の「干支(かんし)」を作り出し、60年で1周期の「甲子(かっし)」を繰り返すシステムです。
1. 十干(じっかん)
十干は、木・火・土・金・水の五行に基づいた5つの元素に、それぞれ「陽」と「陰」を組み合わせた10の要素です。十干は、主に天のエネルギー(天干)を表すもので、次の10種類があります。
2. 十二支(じゅうにし)
十二支は、動物の名前に基づく12の要素で、地上のエネルギー(地支)を表すものです。1年ごとに1つの動物が順番に割り当てられ、次の12種類があります。
- 子(ね):ネズミ
- 丑(うし):ウシ
- 寅(とら):トラ
- 卯(う):ウサギ
- 辰(たつ):タツ
- 巳(み):ヘビ
- 午(うま):ウマ
- 未(ひつじ):ヒツジ
- 申(さる):サル
- 酉(とり):トリ
- 戌(いぬ):イヌ
- 亥(い):イノシシ
3. 干支(かんし)の組み合わせ
干支暦では、十干と十二支を組み合わせて、60種類の干支を作り出します。例えば、甲子(きのえね)、乙丑(きのとうし)、丙寅(ひのえとら)などがあります。これが60年周期で回り、60年経つと同じ干支に戻ります。このサイクルは「甲子(かっし)」と呼ばれ、重要な時間の周期とされています。
干支暦の役割
干支暦は、もともとは時間や年月を数えるためのシステムとして発展しましたが、特に次のような目的で使用されています。
1. 年の識別
干支暦は、年を表す方法として利用され、60年周期で年月が繰り返されます。たとえば、2024年は干支で「甲辰(きのえたつ)」となり、60年後の2084年にも再び「甲辰」となります。このようにして年を区別することができます。
2. 占い
干支暦は、運勢や性格を占う際の基礎ともなります。特に、四柱推命や九星気学といった占いでは、干支を用いて人の生まれ年、月、日、時間を判断し、その人の運勢や性格、未来を予測します。干支が示すエネルギーのバランスや相性から、個人の傾向やライフイベントを読み解くことができます。
3. 吉凶判断
干支暦は、吉凶を判断するためにも使われます。たとえば、特定の年や日が「吉日」であるか「凶日」であるか、または特定の行動が運気を高めるかどうかを判断するために、干支を参照します。これは特に風水や暦占いにおいて重要です。
干支暦と他の暦法との違い
1. 太陽暦との違い
現在のカレンダーで使用されている太陽暦(グレゴリオ暦)は、太陽の動きを基にした暦で、1年を365日(閏年は366日)としています。一方、干支暦は、太陰太陽暦や中国の伝統的な暦法に基づいており、十干と十二支を組み合わせたシステムです。干支暦は主に年や月、日を数えるシステムとして利用され、占いの基礎として重要です。
2. 旧暦との違い
旧暦は、太陰太陽暦に基づいており、月の満ち欠けを基にした暦法です。旧暦と干支暦は、どちらも古代中国で発展し、伝統的な暦法として使用されましたが、旧暦は月の動きに基づくのに対し、干支暦は十干と十二支の組み合わせによって周期を数えるという違いがあります。
干支暦の活用例
1. 四柱推命
四柱推命は、干支暦に基づいて人の運命や性格を占う占術です。生まれた年、月、日、時間を基に4つの柱(四柱)を立て、各柱に干支を割り当てて運勢を判断します。これにより、その人の人生の傾向や大事な時期が明らかにされます。
2. 大安や仏滅などの六曜
日本では、結婚式や葬儀の日取りなどに「六曜」という吉凶判断が使われます。これは干支暦から派生したもので、日を大安や仏滅などに分類して、その日の運勢を判断します。干支暦のシステムを用いて、縁起の良い日や避けるべき日を見つけるのに役立っています。
3. 厄年や縁起物
干支暦は、厄年や節目を判断するためにも用いられます。特定の年齢における「厄年」や「還暦」(60年で干支が一巡するため)などは、干支暦に基づいて決定され、これにより人生の節目を祝ったり、厄除けを行ったりします。
まとめ
干支暦(かんしれき)は、十干と十二支を組み合わせて年月や運勢を数える古代中国発祥の暦法で、60年周期で繰り返されるシステムです。干支暦は、年や月、日、時間の識別だけでなく、運勢占いや吉凶判断にも使われ、四柱推命や九星気学などの占術の基礎として活用されています。干支暦は、人生の重要な節目や占いにおいて欠かせない存在であり、個々の運勢や性格を理解するための重要な指標となっています。