後天定位(こうてんていい)は、風水や九星気学における重要な概念で、時間や方位に基づいて運勢やエネルギーの流れを示すために使われる方位図です。具体的には、後天八卦図(こうてんはっけず)という方位図に基づいて、個人や場所の運気を判断し、エネルギーのバランスを調整するために使います。
後天定位は、九星(きゅうせい)の配置やエネルギーの動きを把握するためのもので、風水での建物の配置や個人の運勢を見る際に使われます。この概念は、自然界や個人の運勢の変化を読み解き、適切な行動や方角を判断する際の指針となります。
目次
後天定位の背景と起源
後天定位は、古代中国の易経(えききょう)や風水の思想に基づいています。易経では、自然界の変化や万物の成り立ちを「陰陽」と「五行」のバランスで説明します。この考え方に基づき、時間や空間のエネルギーの流れを把握するために、方位と運勢の関係を図示したのが八卦図です。
八卦には、先天八卦と後天八卦の二種類があり、後天定位は、後天八卦を使った時間の流れと運気の変化を示すものです。先天八卦が宇宙の永遠の秩序や不変の原理を表すのに対し、後天八卦は、時間の経過や人間社会の変化に伴うエネルギーの流れを示しています。
先天八卦と後天八卦の違い
- 先天八卦:宇宙の原理や不変の秩序を象徴し、万物の始まりを表す静的な図。
- 後天八卦:時間の流れや変化を示し、運気やエネルギーの流れがどのように変化するかを表す動的な図。
後天定位では、特に後天八卦図を使って、個人や場所の運勢や方位の吉凶を判断します。
後天八卦図の構成
後天八卦図は、八つの方位に八卦(はっけ)と呼ばれるシンボルを割り当てたもので、それぞれの方位が異なるエネルギーを持っています。また、方位ごとに五行(木、火、土、金、水)や九星などの象徴が配置されています。後天八卦図は、風水の実践や九星気学の占いで使われます。
八卦の方位と意味
- 坎(かん) – 北 – 水
- 流動的で、知恵や柔軟性を象徴するエネルギー。感情や知識の蓄積に関連します。
- 坤(こん) – 南西 – 土
- 柔和で母性的なエネルギー。家庭や安定、豊かさを象徴します。
- 震(しん) – 東 – 木
- 活力と成長を象徴し、始まりや行動力に関わるエネルギー。
- 巽(そん) – 南東 – 木
- 拡大や成長を表し、風のような柔軟さと発展を象徴します。
- 乾(けん) – 北西 – 金
- 父性的な強いエネルギーを持ち、リーダーシップや天の力を象徴します。
- 兌(だ) – 西 – 金
- 喜びや社交、表現を表すエネルギー。楽しみやコミュニケーションに関連します。
- 離(り) – 南 – 火
- 明るさと情熱を表し、創造性や直感、感性に関わるエネルギー。
- 艮(ごん) – 北東 – 土
- 静止や学びを表すエネルギー。変化の前の準備や忍耐を象徴します。
九星と方位の関係
後天八卦図では、九星という星(運気の象徴)がそれぞれの方位に配置されており、九星と八卦の組み合わせによって、吉方位や凶方位が決まります。九星には以下の星があります:
- 一白水星(いっぱくすいせい)
- 二黒土星(じこくどせい)
- 三碧木星(さんぺきもくせい)
- 四緑木星(しろくもくせい)
- 五黄土星(ごおうどせい)
- 六白金星(ろっぱくきんせい)
- 七赤金星(しちせききんせい)
- 八白土星(はっぱくどせい)
- 九紫火星(きゅうしかせい)
これらの九星が各方位に配置されることで、その年や月ごとの吉方位や凶方位が決定され、運勢や行動の指針が示されます。
後天定位の使い方
後天定位を使うことで、運気を高めたり、方位の吉凶を判断して適切な行動や配置を決定できます。具体的には、以下のような方法で後天定位が利用されます。
1. 風水における活用
後天八卦図を使い、家やオフィスのレイアウトを決める際に、良い方位(吉方位)と悪い方位(凶方位)を判断します。たとえば、南東の巽(そん)の方位が拡大や成長を象徴するため、家の南東部分を成長を促すようなレイアウトにすることが推奨されます。
2. 九星気学での活用
九星気学では、個人の本命星と呼ばれる九星に基づいて、後天定位を使い、その年の運勢や吉方位旅行を決定します。後天定位を基に、自分にとって有利な方位に移動することで、運気を高めたり、運勢の改善を図ることができます。
3. 個人の運勢判断
後天定位は、個人の運勢を分析する際にも使われます。たとえば、誕生日に基づいて本命星を割り出し、その人の運勢やその年の吉凶方位を判断します。特定の方位に移動することで、運気の流れが改善され、成功や繁栄をもたらすとされています。
まとめ
後天定位(こうてんていい)は、風水や九星気学で使用される方位図で、時間の流れとともに変化するエネルギーの配置や運気の動きを示す重要な概念です。後天八卦図に基づいて、方位ごとのエネルギーや運勢の吉凶を判断し、運気の流れに従った行動や配置を行うことで、人生や空間のバランスを整え、良い結果を引き寄せることができます。
後天定位は、家やオフィスのレイアウトの判断、旅行や引越し先の方位選び、そして個人の運勢分析など、さまざまな場面で実践的に活用されています。